ヘルスリテラシーを有効活用するために

ヘルスリテラシーは健康に関する情報収集能力を身につけることに加えて、情報を円滑に周りに伝える能力を向上させる意味もあります。自身が正しい情報を認識していても、それを間違って伝えてしまえば健康被害につながる可能性があります。正確に伝えるためには、常に伝え方を意識する必要があるでしょう。正しい日本語を使うことはもちろん、コミュニケーション能力の向上も欠かせません。患者からみて、話しやすい看護師を目指すこともヘルスリテラシーの一環です。

自身がヘルスリテラシーを活用するうえでは、情報を疑ってみることも必要になります。すべての情報を信用するのではなく、本当に信頼できる情報なのか精査していく必要があるのです。近年はインターネットの活用により、誰でも気軽に膨大な情報にアクセスできますが、なかには間違った情報が数多くあります。例えば、医療機関の公式ホームページに対して、無料掲示板やSNSなどで発信される情報は、間違った内容の割合が高いです。発信されている情報の内容よりも、誰が発信しているか見極めることが大切です。

ヘルスリテラシーが低ければ、病気の発症リスクを高めたり、重症化させたりする可能性があります。間違った情報が流される原因のひとつに営利があり、例えば特定の野菜を食べればダイエットできる、病気が治癒するなどの情報を流しているホームページがあります。自社の商品を積極的に売りたいがために、誇大広告や薬機法違反に該当する情報を意図的に流すのです。間違った情報を遠ざけるためにも、情報を精査する能力を高めましょう。
ヘルスリテラシー能力を身につけることにより、自分自身だけでなく、看護師として患者を健康に導くことにも繋がるのではないでしょうか。